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食のこぼれ話 その88・その89・その90 2016.03

その88「ロシアへの土産」

チョウザメとキャビアの研究に携わっていた頃(1960年~1980年)は、旧ソ連やロシアへの土産は、サントリーの「山崎」というウイスキーが喜ばれた。
今でも、土産として「山崎」を持って行けば喜ばれるが、現在は「
NIKKAウイスキー」も喜ばれるウイスキーだそうである。
ロシア大使館の職員の友人の話では、
20153月に仕事でモスクワに戻ったときに、「NHKの朝ドラのマッサンとNIKKAウイスキーの関係」を説明しながらNIKKAウイスキーを渡すと喜ぶ土産物となっているとのことである。
日本在住の酒好きのロシア人には、マッサンは非常に興味のあるドラマで、毎日みていたのである。

その89「体内時計とポリフェノール

後期高齢期をトラブルなく健康に過ごすためには、体内時計のスムーズな働きが重要なのである。
体内時計を目覚めすには、一般には朝食を摂らなければならないといわれている。
朝食の栄養成分としては脳細胞のエネルギーとして必要な糖質、神経伝達物質となるアミノ酸(たんぱく質由来)が必要といわれている。
ブドウやワインのポリフェノール・カテキン・アントシアン系色素の効果はよくしられているが、健康ライフでは、ブドウやピーナッツの皮に含まれているレスベラトロールに注目していた。
この成分は、血液の流れを良くし、がん細胞の増殖を抑制する働きのあることが注目されていが、体内時計の働きを活性化するにも効果があるようだ。

                              《NHK健康ライフより》

その90「体内時計とロイシン

老化が進むと、体内時計の働きも鈍ってくるらしい。
年老いても体内時計の働きを活性化するためには、筋肉を丈夫にすることが必要である。
筋肉を丈夫にするにはウオーキングが最もよい方法らしい。ストレッチの後に大股で両手を大きく振りながらのウオーキングなら
10分間でもよいとの説もある。
筋肉を丈夫にする食事は、アミノ酸の一種のロイシン含有量の多い食品、ビタミン
E,ビタミンDの含有量の多い食品を取り入れることがよいとのことである。
ロイシンの多い食品には、マグロ・納豆・鶏肉・チーズなどがある。
ビタミン
Eは抗酸化性のあるビタミンで、過酸化脂質の生成を抑制する。
E含有量の多い食品はナッツ・アユやニジマスなどの魚・アボガドがある。
ビタミン
Dの含有量の多い食品にはコウナゴ・イワシの丸干し・サンマなどがある。
これらを食べ物からの補給が難しい場合は、サプリメントを利用するのも一つの方法と考えられている。

                               《NHK健康ライフより》

                  文責:小堺化学工業㈱ 顧問 成瀬宇平


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# by kosakai_blog | 2016-04-01 18:17 | 食のこぼれ話
食のこぼれ話 その85・その86・その87 2016.02

その85『食に関わる「おろす」の意味』

「おろす」は、「魚をおろす」「ダイコンをおろし」などの使い方がある。
一方、「貯金をおろす」「洋服などの新品をおろす」「旗をおろす」「根をおろす」など食に関係ない場面での使い方がある。
NHKのアナウンス室編の『走らないのになぜ「ご馳走」?』には「腕をおろす」「腰をおろす」「こきおろす」「根をおろす」などに使われる「おろす」の意味は、「上から下へ移す」「納めてあるものを取り出して使う」の意味合いがあり、魚や大根につく「おろす」の意味は、「切る」「擦る」は、「元あったところから離れるようにする」の意味があると解説している。
「おろす」という言葉は平安時代中期に書かれた『宇津保物語』(
970年)に「三合の米をおろして食いつつ・・」のように、「納めていたいものを取り出して使う意味」に使われている。

その86「おかしら付きの意味」

「おかしら付き」は、「尾から頭までまるごと」「頭と尾の付いた・一尾丸のままの魚」を意味するので「尾頭付き」と書かれる。最近は、「御頭」を付けて、丁寧な表現と認められているが、この表現では「尾」がないので、「一尾丸のままの魚」の意味が受け取りにくい。
神事や神饌には、尾頭付きのマダイを供えることが多い。
マダイが供えられるのは、語呂合わせで「めでたい」に通じるから祝い事には欠かせない魚である。
マダイの表皮が赤く、甘味のある白身肉であることも神事や祝い事の縁起物とされたようである。
神事や神饌に尾頭付きの魚は神から与えられた恵みに感謝し、その恵みを神へお返へしする意味がある。
メザシや煮干しも尾頭付きの食べ物である。
昔の商家の丁稚は、毎月
1日と15日の食事にはメザシがでた。
これがたんぱく質やミネラル類、ビタミン類の重要な供給源であった。

その87『「食べ放題」と「食べっぱなし」の違い』

レストランの朝食やランチでは「食べ放題」というサービスはあるが「食べっぱなし」はない。
NHKのアナウンス室編の上記の本によれば「食べっぱなし」は、そのフレーズから見てもだらしなく見える。
実際「食べっぱなし」は、「その動作を行ったまま放置しておく」の意味で、あまりよい意味には受け取れない。
「食べ放題」の「放題」の意味は「状態が続く」ことで「自由存分、思うままに行う」の意味として受け取られる。
「放題」は、和歌で使われる「
(ほう)(だい)」から転じたものとの説がある。
「倣題」は、本題から外れた好き勝ってな題目でんだものを意味するので、「食べ放題」は、好き勝ってに食べる意味がある。
ただし、商業関係の「食べ放題」は、料金・時間・量などに制限があることが、「食べ放題」の特徴である。

       
                                    文責:小堺化学工業㈱ 顧問 成瀬宇平


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# by kosakai_blog | 2016-04-01 17:36 | 食のこぼれ話
食のこぼれ話 その81・その82・その83・その84 2016.01
その81「ロシア人の食は、食べ慣れたものが美味しい」

レストランで、料理を注文すると、「パンにしますか?ライスにしますか?」と訪ねられる。
日本人の場合、ライス(ご飯)を注文する人が多い。
古くから米が殿様に献納し、神棚供えるなど生活の中心であった。
第二次世界大戦後に欧米の食べ物を自分たち食卓にのせるようになるまでは、日本人は米を中心とした食生活であった。
世界各国の料理が食べられる東京においても、ほとんどの日本人が一日に一度は「米のご飯」が食べないと落ち着かない人は多い。
ロシアの人々が毎朝食べてい黒パンは、日本人が食べ慣れているアメリカ風パンやイギリス風パンとは違った食感と酸味がある。
ロシアの人は、日本人が米のご飯を食べないと落ち着かないように、このロシア風黒パンが国民食のようである。
かつて、ロシアからロシア大使館の友人のお土産にあの黒パンを渡していた。
しかし、日本滞在の長い大使館員の好みは、麻布のパン屋のフランスパンへ移ったようである。

その82「ロシア原産シシャモの卵でウクライナ製造の缶詰」

201412月、かつてのチョウザメの研究グループの理事長が、ロシアの研究者からゴールデンキャビアを頂いたので試食会をしたいということで、知り合いの小さなレストランで、古くから協力していただいているロシア大使館の漁業関係の専門官と奥さん、そして元理事長と私でささやかな忘年会を兼ねた試食会を行った。
チョウザメの種類を聞くのを忘れたが、シシャモの卵を大きくした粒で、綺麗な黄色であった。

ロシアで食べた黒色のキャビアに比べるとあっさりしていて、これが本当にキャビアなのかと疑うほどであった。
そこへ登場したのが大使館の専門官がもってきた缶詰である。
この缶詰は樺太シシャモの卵で、粒は小さく、ゴールデンキャビアよりさっぱりした味であった。
これは、ウラジオストックの近海で漁獲される樺太シシャモで、現在のロシアとはあまり友好的でないウクライナで缶詰に加工し、ロシアで販売しているものとの説明であった。
ロシア式キャビアの食べ方はパンにバターを塗り、キャビアをのせて食べるので、1缶
300

円の樺太シシャモの卵の味はゴールデンキャビアの味に劣らなかった。

その83「ロシアの女性も海藻でダイエット」

10年ほど前にウラジオストックの漁業研究所を訪れたときは、チョウザメのイクラ(日本でいうキャビア)はもちろんのことサケの赤いイクラ(日本でいうイクラ)も食卓にでることはなく、毎食、千切りした昆布の煮物がでた。
昨年ほどからウラジオストックでダイエットによいと栄養学の先生が食べ方を教えている。
ところが、最近は、ダイエットの目的に浅草海苔が人気らしい。
ただし、日本産の海苔は高いので韓国産の海苔が広く利用されていると、ロシア大使館の漁業関係の専門官の話しである。


その84「食品添加物の摂取量と許容量」


食品添加物の安全性を考える時、現在許可されている食品添加物は厳密な安全性試験と規格試験をパスしたもので、国で決めた使用基準を逸脱しないかぎり安全性は十分に確保されていると考えられる。
厚労省では、1日の摂取量を調べ、一日摂取許容量(
ADI)に対してどの程度摂取しているかを、調査している。
平成23年度の結果が次の表のようであった。

食品添加物

1日摂取量(mg)

ADI(mg/50kg

摂取量対ADI

(%)

ソルビン酸

13.6

1250

1.1

安息香酸

1.61

250

0.64

アスパルテーム

5.85

2000

0.29

サッカリン

0.65

250

0.3

食用黄色4号

0.223

375

0.05

食用赤色3号

0.004

0.07

α―トコフェロール

8.44

100

8.44

亜硝酸塩

0.89

10

8.6

硝酸塩

190

185

103

出典;「食と健康」2015.4

*1 亜硝酸塩は、ハムやソーセージの発色剤として使われるが、野菜にも亜硝酸塩を含むので、農産物からの摂量が多くなるが、問題ない。
ハム・ソーセージに含まれる亜硝酸塩は、発色剤として働くが、保存効果もある。

*2 硝酸塩がADIを上回っているが、大半が野菜など農産物由来で心配はない。


                  文責:小堺化学工業㈱ 顧問 成瀬 宇平







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# by kosakai_blog | 2016-04-01 17:14 | 食のこぼれ話
食のサロン その68 《江戸・東京 食事情 ⑫ すきやき 》2015.12

牛肉食べぬは開けぬ奴といわれ文明開化の代名詞のようにもてはやされた食べ物がすき焼きである。
肉食文化が無かった日本人に合った食べ物としてもてはやされた。高村光太郎は「米久の晩餐」として鍋を囲み、すき焼きを食べる様子を詩に残している。
この米久は浅草に今もある老舗すき焼き店の事である。
近江の国で米屋を営んでいた竹中久次が近江から牛を引いて上京し牛鍋屋を開業したのが始まりとされている。
関西では鉄鍋で牛肉を砂糖と醤油で味付けし焼くように食すのが一般的である。
関東では牛肉を鉄鍋でネギ等の野菜と豆腐や白瀧と共に割り下を使いぐつぐつと煮込んでいわゆる牛鍋の状態で食べたようである。
今は関西、関東のこだわりはあるにしても双方の良い部分を取ってあまり東西の区別は無いように思われる。
初期のころは食べなれない牛肉をなじみのある味噌味の鍋で食べさせる店も多かったようである。
当時外国との窓口であった横浜には牛肉をぶつ切りにしてみそ味の鍋にして食べる「太田なわのれん」と言う店が今も営業している。明治のころは店名に今と言う文字を冠した牛鍋店が多くあった。
これは東京で初めての、と場が開設された今里に由来すると言う説がある。
慶応3年(
1867)に横浜の中川屋嘉兵衛と言う人が現在の芝白金のあたり今里の地にと場を開設したと言う史実がある。
今里直送の良質な肉を提供する店として今と言う字を冠したと言う話である。
後にそう言う店の中から暖簾分けされた店も今の字を使用した事であろうと想像できる。
新橋の今朝、浅草今半、人形町今半等が代表であろうか。
俳優であり歌手でもある加山雄三は年齢を重ねても若く元気である事にいつも感心するがそのスタミナ原は肉好きゆえであるらしい。代表作として若大将シリーズの映画があるが主人公の実家が老舗すき焼店として登場する。
頼まれたら嫌とは言えない正義感で行動的な若大将のイメージにはすき焼店の息子のイメージが合うのかもしれない。
都内には今も老舗すき焼店は多い。
明治創業の老舗としては東大生に愛された湯島の江知勝、江戸時代に犬のチンを扱う商売をしていた事を屋号にした浅草のちんや、牛佃煮が評判の日本橋の伊勢重等がある。
小堺化学工業㈱本社のある人形町では牛肉販売でも有名な日山のすき焼きが評判で水天宮参りや明治座での観劇帰りの客でにぎわっている。
坂本九の歌う上を向いて歩こうがアメリカでスキヤキソングと言われ全米ヒットチャートで1位になる大ヒットとなった事を記憶されている方も多いと思う。
アメリカで牛肉を使った日本料理としてのすき焼きのイメージが良かった事で相乗効果があったのかもしれない。
もっとも作詞を手掛けた詠六輔はアメリカでのヒットには複雑なものがあったように聞いている。
歌のヒットと共に元の歌詞を離れ英語の歌詞がいくつも作られて行く。
中には芸者ガールと共に食べたすき焼きが忘れられないと言うような事に成れば当然かもしれない。

          文責:小堺化学工業㈱ 営業部長 青木知廣


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# by kosakai_blog | 2016-01-28 19:59 | 食のサロン
食のサロン その67 《江戸・東京 食事情 ⑪ 料亭 》2015.11

江戸も文化文政の頃になるとグルメブームも到来し料理茶屋から料亭と言われる大きな料理店が登場する。
日本橋の料亭「百川」で巻起る勘違いによる騒動を面白おかしく話にした百川と言う落語がある。
オールドフアンなら昭和の名人三遊亭圓生の名口調を思い出す。

この百川は実在した料亭でペリー来航時に幕府の命により八百善と共に料理を提供したと史実に残っている。
圓生は落語「百川」の枕で日本橋浮世小路、鰹節で有名な「にんべん」のあたりに有った料亭と語っている。
百川と共にペリーに料理を提供したもう一軒の料亭が八百善である。
数ある江戸の料亭中で最も有名な一件と言える。
八百善4代目の残した料理本「江戸流行料理通」は八百善料理通と言われ現代にも通じる料理教本であると同時に江戸の料理と食文化を今に伝える貴重な書物である。
この八百善には数々の逸話が残っている。
ある粋人が八百善に上がり色々な物を食べ飽きたのでと茶漬けを所望したところ散々待たされた挙句代金が1両2分と言われる。
確かに美味しい茶漬けではあったがそれにしてもと尋ねると。
茶漬けに添えた香の物は当時春には珍しい瓜と茄子。
茶は宇治の玉露に米は越後の一粒選り。
時間が掛かったのは茶漬けに使う水を玉川上水の取水口まで早飛脚に汲みに行かせたとの事であった。
浅草の山谷にある八百善から玉川上流までと言うのは少々オーバーな様にも思えるが、高級を売り物にし、使用する水や食材にもとことんこだわった八百善ならではの逸話である。
この江戸を代表する料亭を訪れた歴史上の人物は多い。
江戸期には将軍徳川家斉も訪れた記録が残っている。
4代目栗山善四郎とは深い交友があり常連とされている酒井抱一や太田蜀山人、谷文晁。
葛飾北斎、渡辺崋山、幕末には天璋院篤姫、勝海舟。
明治の頃には木戸孝允、山縣有朋。文壇では森鴎外、芥川龍之介、菊池寛。
永井荷風はここで結婚式を挙げた記録が残っている。
時代を経て八百善も関東大震災で山谷の建物全てが焼失しその後も戦災による被害を受ける。
戦後はいくつかの地を経て銀座の共同ビルの地下に店を構え割烹家八百善として変わらぬ江戸の味を伝えていた。
真薯や魚素麺、白瓜の雷干し、デザートの白玉等八百善の名物料理が提供され予約もせずに訪れても嫌な顔をせず老舗としての接客対応をしてくれた物である。
その後新設された両国の江戸東京博物館に出店し銀座店は閉店された。
博物館を訪れる客にリーズナブルな江戸料理を提供していたがこちらも閉店し現在は八百善の店舗は無い。
現代において見栄えの良い京風料理が一般受けをする。
反面見えない処に手間暇をかける江戸料理は採算面等理解してもらう事が難しいのかもしれない。
東京でも日本料理店は京風料理全盛で江戸伝統の料理を提供する料理店は少なくなり残念に思うのは江戸っ子の僻みであろうか。
江戸料理の旗手であった店は無くなっても八百善の江戸料理は現在10代目栗山善四郎に伝わりさらに11代目に伝承されていると聞く。


                 文責:小堺化学工業㈱ 営業部長 青木知廣



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# by kosakai_blog | 2016-01-28 19:52 | 食のサロン



コラムや社内行事の模様をお伝えします。
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