1997年4月に食塩に関する専売制が廃止され、新たに塩事業法が施行され「良質な塩の安定した供給の確保とわが国塩事業の健全な発展を図る」ために、(財)塩事業センターが設立された。
これによって、塩の小売については登録・届け出なしでできるようになり、2001年(平成13)からは製造、輸入、卸売りも登録・届け出の必要がなくなった。
規制がなくなったので、市販されている塩には、塩事業センターの塩のほかに、「自然塩」「天燃塩」、外国からの輸入の塩など種類が非常に多くなっている。
①昔ながらの海水を入り浜式のような天日で濃縮して製造しているところは、伊豆大島、石川県の能登、沖縄、熊本県の天草などに小規模の会社がある。
能登の輪島沖の海水を輪島まで運び、こだわりの自然塩を作っている会社もある。
②輸入の塩を国内の工場で、地下水に再び溶解して精製し、これに苦汁を添加した食塩がある。
「○○(地名)の塩」と称して販売しているものに多い。
その地名の海水から作られたものではない。
③ヨーロッパやモンゴルなどの岩塩がある。
これらは、日本の市場に出回ったころよりも、精製され、日本人の好みに合わせたものが増えてきた。
文責:成瀬宇平