その56 《地域によって違う「お汁粉」「ぜんざい」》
小豆や餅の入った甘い食べ物は、地域により呼び方が違うが、店によっても意味が違うらしい。
東京のある店に書かれた「田舎汁粉」「ぜんざい」「御膳汁粉」について、地方から訪れてきた客と店の解釈が違っていた。
店の説明;「ぜんざい」は小豆が粒々で汁のない液体でないもの。
「田舎汁粉」は粒々がある。
「御膳汁粉」は漉し餡の汁。
野瀬氏の九州人の解釈;「豆は粒々汁の無いもの」はすべて「あんこ」で、「汁のあるもの」はすべて汁粉であるとの解釈である。
参考文献:野瀬泰申氏の「天ぷらにソースをかけますか」(新著文庫)
その57《骨の多いハモカツバーガー》
水産関係の団体の人は「魚離れが目立つ」、食肉関係の団体の人は「肉が売れない」とそれぞれ言い分がある。
魚離れは小骨があるので敬遠されているが、すし種として骨のないマグロは人気である。
「ハモかつバーガー」は、大阪市の水産会社が製造し、大阪や京都の夏の食材としては欠かせない。
その骨の多いハモをフライにしバーガースタイルで、骨を気にしないで食べられるようにした。
ハモの身肉には小骨が多いので、「骨切り」といい細長いハモの身に包丁を入れて、骨を切らねば食べられない。
その面倒な調理をせずに、フライにしてパンに挟めて食べる。
その名も「なにわのハモカツバーガー」である。
調味料は大阪の串カツ用のソース、タマネギなどのスライスものせて、高級魚をパクつけるということである。地産地消の一端を担っているのである。
文責:小堺化学工業㈱顧問 成瀬宇平