食のサロン その62 《江戸・東京 食事情 ⑥ ちゃんこ鍋》2015.6

江戸時代に江戸で当時食べられていた最も美味しい物を表す「三鳥二魚」と言う言葉がある。
当時珍重された5種類の食べ物
(食材)が美味しい物の代表選手と言う事になるらしい。
三鳥とはツル、ヒバリ、バン、の野鳥。
二魚とはタイとアンコウの魚を指した物であったとされる。
この事からも江戸では色々な食材が食べられ、当時の江戸の人々が非常にグルメであった事が窺い知れる。
もちろん三鳥は保護されるべき野鳥でありツル、ヒバリ、バンは現代では食用にすることはまかりなら無い。
アンコウ(鮟鱇)は関東のフグとも言われ見た目はグロテスクな深海魚であるが骨以外余す所なく食べられる非常に美味な魚である。茨城県の大洗近辺では漁師たちが船の上で食べたとされる「どぶ汁」と呼ばれ野菜とアンコウから出る水分に肝を溶かして煮込む古くからの料理法が伝わっている。
アンコウの種類は20数種有るといわれている。
わが国では主にキアンコウ(本鮟鱇)とクツアンコウが食されるがメスに比べてオスは魚体が極めて小さく、通常食べられるのはメスのアンコウである。
漁期の関係もあるが肝の大きくなる冬場が旬となる。
表面がヌルヌルしてまな板の上では捌きにくいので吊り下げて解体する「吊るし切り」が伝統的な捌き方となる。
又捌いた部位を七つに分けこれを「鮟鱇の七つ道具」と呼ぶ。
地方による違いはあるようだが柳肉(身の部分
)、皮、肝、アゴ肉、ヒレ(とも)卵巣(ぬの)、

胃(水袋)、の7つの部位を俗に7つ道具と呼ぶようである。
それぞれの部位毎に異なる味や食感を味わう事が出来る。
美食の国フランスでもアンコウは良く食べられるが主に大身の部分が食されフォアグラより美味しいと言われる肝も含めて他の部分を食べる事は無いようである。
アンコウの肝は美味であるばかりでなく他の食品からは摂取しにくいビタミンDが多く含まれている。
ビタミンDがカルシウムの吸収に関与し骨や歯への沈着を助ける事は周知のとおりである。
関東でアンコウの漁獲量が多いのは茨城県で県内ではアンコウ料理が名物となっている。
水戸の料亭山口楼、郷土料理の山翠などが評判であるが大洗海岸や五浦海岸にもアンコウ料理を売り物とする旅館や飲食店が多くある。
東京にある唯一のアンコウ料理専門店は神田連雀町の「いせ源」である。
天保元年の創業とされるが創業当時はドジョウ屋であり、その後各種鍋料理を提供しその中で評判の良かったアンコウ鍋を中心にアンコウ料理専門の店となったと伝わっている。
昭和初期の建物は東京都歴史建造物にも指定され風情が有る。
秘伝の割りしたで煮立てるアンコウ鍋の他、唐揚げや肝刺し、ともあえ、等のアンコウ料理が楽しめる。
大振りの良いアンコウが入手されればアンコウの刺身も提供される。
寒い日に鍋の締めに食べる「おじや」も格別である。

                         文責:小堺化学工業㈱ 営業部長 青木知廣




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by kosakai_blog | 2015-06-11 21:12 | 食のサロン
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