カテゴリ:添加物歳時記( 35 )
歳時記 その34 《食品廃棄に考慮した食品表示》
食品表示についての発信は、これまでは農水省や厚労省であったが、現在は消費者庁からの発信となった。
2010年10月には消費者庁が焼肉店のメニューを調べたところ、『牛の「もも肉」を「ロース」として提供していることがわかり、「もも肉」を「ロース」と表示すること』を禁止すると発表した。
もも肉の肉質がロースに似ているので、このような表示で提供するのが業界の慣行のようである。
一方、脂がのった部位をカルビと表示して提供している。
正確には日本の食肉に関する表示には「カルビ」はなく、韓国語である。
カルビはあばら骨付近の肩ばらの部位である。
赤身と脂肪が層になり、キメは粗くてかための肉質である。
「賞味期限」の表示についても、消費者庁は2010年11月2日(読売新聞・夕刊)で『「日付過ぎても食べられる」を併記』と見直すことを決めている。
まだ食べられる食品でも大量に廃棄されることから、食品の節約について「消費者の意識改革が必要である」という発想が、この表示見直しの根底にあると思われる。
よく聞くことに、コンビニエンスストアの弁当の賞味期限は時刻になっているので、1日に大量の弁当や握り飯が廃棄され、誰もがもったいないと感じていることである。
「消費者の鮮度志向」が、新鮮さをアピールする目的で、メーカー側は賞味期限を短くしていることが、食べられる食品でも大量に廃棄してしまう例が多い。
食品工場の衛生管理のマニュアルの中でも賞味期限については慎重に監視しているので、廃棄食品が多くなっていることが多い。
食品工場も販売者も、そして消費者も資源には限界があることを認識し、製造する量、販売する量、そして消費者が購入する量について、資源の節約やリサイクルの点から、グローバルに考える時代と思う。
名古屋での環境問題に関する国際会議では、結局は先進国と開発国とのお金の問題へと進み、最後には「生物多様性」とか「資源保護」「環境保全」などの大切な言葉が消えてしまったのが残念に思う。

                                                       文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2012-04-19 11:05 | 添加物歳時記
歳時記 その33 《うどんと添加物としての塩》
うどんは小麦粉に水と食塩を加えて混捏し、麺棒で伸ばすことにより、弾力性のあるうどんができる。
食塩は調味料に属するが、うどんの場合は添加物として考えたほうがよい。
食塩を加えることにより小麦粉のグルテンは粘りのある網目構造を構築するので、弾力のあるうどんを作るためには食塩は必須の添加物となる。
東京・品川区にある京浜急行線の立会川の近くを通る旧東海道沿いに「そば家・吉田屋」がある。
このそば屋は、安政創業の店で、江戸時代から吉田家に伝承されている姿勢と技術を守っている。
現在の6代目は吉田家の家系の主が受継いでいるのであるが、7代目は6代目の長女の婿さんである。
IT企業を辞めてこの伝統あるそば屋を受継いでいるが、時代とともに伝承を守りながらも嗜好や作り方は進化していると話している。
7代目のうどんに対するこだわりは食塩の種類である。
カルシウム含量の多い食塩を使うと苦味があり、マグネシウムの多い食塩を使うとまろやかなうま味のあるうどんができると話していた。
そばについては、原料は群馬県産の有機栽培のそばを使っているが、高圧線の下の畑で収穫したそばでは美味しいそばができないと興味のある話をしていた。
その原因は地元の研究機関で調べているが分からないとのことである。
立会川は、土佐藩の下屋敷や砲台があったらしく、駅の近くの小さな公園には坂本龍馬の像がある。

                                                        文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2012-04-12 18:07 | 添加物歳時記
歳時記 その32 《サプリメントとしての葉酸の過剰摂取に注意》
妊婦に勧められているビタミンの1つの葉酸については、時期と量を適切にするべきであると研究されている。
厚生労働省は、妊娠が予定されている女性は妊娠1ヶ月以上から妊娠3ヶ月までの間、通常の食事から摂取する以外は1日に400マイクログラムの摂取量が推奨されている。
葉酸はヘモグロビン形成に関与し、造血因子として作用することから必要なビタミンなのである。
(独)国立健康・栄養研究所の2010の調査によると、妊婦815人の80%はサプリメントを利用していると報告されている。
サプリメントからの葉酸の摂取の場合は、基準値よりも多く摂取してしまうことがある。
葉酸の過剰摂取は、妊婦が発熱や蕁麻疹を起こす場合や子どもが喘息などを発症することもある。
サプリメントはメーカーにより、葉酸の含有量が異なるので、表示を確認して過剰摂取にならないように注意する必要がある。
できるだけ通常の食事から葉酸を摂りいれるようにしたほうがよい。
葉酸を多く含む食品は、ほうれん草など葉野菜、海藻、肉、大豆、魚などに含まれているから、一日に食べる食品の種類を多くすることを勧める。

                                                      文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2012-04-12 17:42 | 添加物歳時記
歳時記 その31 《粘性物質の最近の利用》
近年の調味料の傾向で、ジュレスタイルのものの開発も目だってきている。
ジュレはフランス料理のゼリーの意味からきているように、動物性のゼラチンを添加してつくられていた。
現在、ジュレに使われているゼラチンは豚・牛・魚のコラーゲンを原料として調製されるゼラチン・コラーゲンペプチドで、離水がなくハリのある弾力ゲルで、凝固温度(25℃前後)、融点温度(30℃前後)で、料理には使いやすい。
「食品開発展2011」ではリンゴやかんきつ類から調製したペクチンのジュレへの利用が提案されていた。
これらのペクチンのゼラチンとの違いは、ボディ感があると紹介されている。
その理由は、リンゴやかんきつ類から調製したペクチンに含むカルシウムがカルボキシル基とすみやかに結合するからと説明されている。

                                                       文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-10-27 17:31 | 添加物歳時記
歳時記 その30 《「うま味調味料と嗜好増強」の研究から》
巴美樹・外山健二氏らは、料理中にグルタミン酸ナトリウムを主とするうま味調味料を添加した場合と無添加の場合について、嗜好性が高まるかどうかを検討している((日本栄養・食糧学会誌、64巻、151-157(2011))。
嗜好性に関して協力してくれた対象は、北九州市内に居住する健常中高年女性と健常青年女子で、20品目の料理についてうま味調味料の添加したものと無添加のものについて嗜好の違いについて検討している。
実験の結果は、8品目についてはうま味調味料0.5%添加により嗜好性が高まったことから、食事量の少ない高齢者の食事にはうま味調味料を添加することで、食事の満足度の改善に貢献できることを推測している。
しかし、料理によっては、うま味調味料を加えることで、うま味調味料にもともと含まれる食塩量が多くなるので、この食塩の味も嗜好性を高める要因となっているのではないかとも推測している。
高齢者の味覚は、濃い味には美味しいと評価するのでうま味調味料の添加した料理に対する嗜好性が高いのは塩味をはっきりと区別できるからではないかとも推測している。
食塩の過剰摂取は血圧に影響するので、食塩の味でなく、うま味への反応が期待できる料理が望まれるわけだ。

                                                      文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-10-27 16:15 | 添加物歳時記
歳時記 その29 《うま味調味料添加と嗜好性》
代表的うま味調味料のグルタミン酸は、消化管では迷走神経休心路の活動の亢進、胃排出速度の調節などのヒトの生理的機能が解明されつつある。
動物では腸管上皮細胞の主要エネルギー源となり、加齢に伴う消化管吸収機能の低下を補うなども明らかにされている。
さらに、味覚感受性の低下した高齢者の食事にグルタミン酸ナトリウムを添加することにより、喫食量が増加し、QOL(quality of life)の改善がみられることも明らかになってきている。
巴美樹氏らは高齢者施設で生活している中高年女性の日常の食事にうま味調味料を添加した場合と添加しない場合の嗜好性について検討している。(日本栄養・食糧学会、64巻(3号)、151、(2011)、151)
巴氏らは20品目の料理についてうま味調味料添加によって嗜好性が高まるかどうかを検討し、そのうち8品目についてうま味調味料0.5%を添加することにより嗜好性の高まることを明らかにした。
うま味調味料を添加することにより食塩含量が増えていることも、嗜好性を高めている要因でないかとも推測している。
とくに、「ゴーヤチャンブル」や「ホウレン草のお浸し」のような料理は、うま味調味料を添加することにより苦味が低減し、嗜好性を高めているのではないかとも推測している。

                                                         文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-09-22 18:19 | 添加物歳時記
歳時記 その28 《調理器具の洗浄と殺菌剤について》
食品添加物の歴史をみると、食品の保存や外観を目的として開発されてきた添加物が多い。
食品の外観に関して開発されたものが食用色素であり、食品の保存を目的として開発されたのが保存料であり、殺菌剤である。
保存性のある加工食品が流通できるようになるには、加熱殺菌、低温流通、紫外線、包装材の開発などの物理的方法のほかに、保存料や殺菌剤などによる化学的方法も非常に貢献している。
大量に作る外食用の弁当や惣菜、菓子類では、衛生的につくるために基本的な衛生上の対策として調理器具の洗浄・殺菌などの処理工程がとられる。こうすることにより、調理器具や原材料に付着している食中毒菌や異物の除去が行われている。
現在、食品や調理器具の殺菌に使われているのは塩素系漂白剤が多い。
塩素系の臭いが残る場合もあるが安全性が高い。
その殺菌のメカニズムは過酸化水素と同じく酸化力のある酸素による殺菌作用なのである。塩素系漂白剤は、病原菌の細胞膜や酵素の分子内のN-H結合、S-H結合に作用し、細菌の代謝を狂わせて細菌の生育を抑えてしまうという働きがある。
弱酸性の水での野菜や調理器具の洗浄法が注目されているが、ある実験から推測するに洗浄の方法により効果が左右されるようである。
弱酸性水での殺菌を効果的に発揮するためには、調理器具や野菜などの食品は丁寧に洗浄しておかなければならない。

                                                         文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-09-22 18:17 | 添加物歳時記
歳時記 その27 《食品に使われるビタミン類》
加工食品の場合、使用される材料、副材料、加えられる食品添加物を明記しなければならない。
その際、使用目的にしたがって使用される添加物が、他の効果がある場合に、後者の目的の効果を記載することがある。
食品添加物として使用するビタミン類には、ビタミン類のもつ機能性すなわちビタミン強化も期待されているが表記してはならない。
①トコフェロール類;α―トコフェロール類は、食品中の脂肪の酸化を防止する「酸化防止剤」として使用される。
食品中の酸素が不飽和脂肪酸を酸化して過酸化脂質を生成する前に結合し、α―トコフェロールは脂肪酸の酸化を防止する働きがある。
私たちの体内の一つひとつの細胞を形づくっている細胞膜、細胞内の中のミトコンドリアなどの微小器官を包む膜などをまとめて「生体膜」という。
この生体膜の構成成分も不飽和脂質なのである。
トコフェロールは、食品中の脂質の酸化を防止する働きがあるが、生体内での過酸化脂質の生成を抑えるビタミンEの働きがあるので、食品添加物に使用されたα―トコフェロールのビタミンEの働きを期待されやすいが、体内でのビタミンEは、緑黄野菜や豆類、穀類に含まれているビタミンEが、体内では効果があるのである。
②ビタミンC;果実ジュース、スポーツドリンク、ジャム、キャンディにはビタミンCが添加されていることが多い。目的は、果物や野菜の褐変や退色を防止のために使用される。
肉の加工品には発色助剤、水産加工品では、脂質の変質防止などのために使われている。
ビタミンCは、かつてはカゼの予防にビタミンCの大量摂取により効果があるといわれたことがあるが、胃腸を害することが分かり利用者がいなくなった。
ビタミンCの成分は、アスコルビン酸で、体内のコラーゲンの合成に不可欠であることから、美肌形成に効果があるといわれているが、自然の野菜や果物に存在しているビタミンCなら期待されるが、食品添加物として利用したものには効果は期待できない。
食品添加物としてのビタミン類の効果の例を述べたが、健康のためには食品添加物ではなく、自然の食品に含まれているビタミン類に期待すべきである。最近、サプリメントに使われるものの中には、使用の仕方に間違いがあると、病状を悪化してしまうということもあるので、サプリメントの利用も専門家に相談してから使用すべきである。

                                                         文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-09-22 18:12 | 添加物歳時記
歳時記 その26 《食品メーカーもサプリメントを開発》
カツオ節に含まれるペプチド類(数個のアミノ酸が結合したもの)には、血圧降下作用があることは、数十年前から明らかにされ、カツオ節メーカーがサプリメントとしての「ペプチド」を販売していた。
その後、幾つかの水産食品メーカーも独自に開発し、販促に力を入れるようになった。
カツオ節の原料のカツオは脂肪が少なく、たんぱく質が多い。
カツオのたんぱく質には、血中コレステロール増加を抑える働きや、たんぱく質が分解してアミノ酸となり吸収される。
特に、カツオやカツオ節のヒスチジンは、肥満中枢を刺激するので、食欲を抑えるのに有効であるといわれている。
カツオは脂肪含有量が少なく、たんぱく質が多く含むので脂肪の摂取を少なめにし、脳の働きに適した魚といえる。
大海を高速で回遊するためには鉄分を含むたんぱく質であるミオグロビンが多く含まなければならないのでカツオの筋肉は赤い。
血合肉にはミオグロビンを多く含む。
この血合肉を利用したサプリメントが、カツオ節メーカー(マルトモ株式会社)が開発した鉄分補給のサプリメントである。
鉄欠乏性の貧血症になりやすい女性は、カツオの肉やカツオの血合肉を原料としたサプリメントを利用すれば貧血症の改善が期待できるのである。

                                                        文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-08-18 16:56 | 添加物歳時記
歳時記 その25 《果物は濃縮物やピューレにしてからの応用》
一般に、サプリメントには天然素材に含まれる機能性成分を抽出、精製、加工したものが多い。
よく知られているコラーゲンは、牛や豚、鶏、魚の鱗のコラーゲンを加工したものが多い。
ここに紹介する果物に含まれる機能性成分は、凍結乾燥した果物から調製するか、新鮮な果物をピューレにしたもので、カプセルや錠剤にして利用するサプリメントとして利用するのではなく、食品に添加することを目的としたものである。
ここでは、光洋商会の「カンザック」は、ブラックカラントの果皮の搾汁残渣から抽出したアントシアニン、ニュージーランドのキウイフルーツの果皮と種子を取り除いた「冷凍キウイフルーツピューレ」を紹介する。
ブラックカラントはニュージーランドに生育する果皮が紫色のベリー類の一種でアントシアニンを豊富に含み、アントシアニンは眼精疲労の回復や視力の向上に有効であることが知られている。
光洋商会の「カンザック」は、アントシアニンの熱による劣化を防ぐために凍結乾燥してから調製したもので、パウダー状である。
これは錠剤にもできるが、食品に付加価値を高めるのに本製品を添加することができる。
キウイはビタミンC・ビタミンE・葉酸などのビタミン類、マグネシウム・カリウムなどのミネラル類、食物繊維を含み、カゼの予防や血管の老化防止が期待されている。
冷凍キウイピューレの栄養成分が劣化していないので、食品に添加することにより機能性成分が付加されたアイスクリーム、ソフトドリンク、セミフローズンドリンクなどの食品に応用できるといえる。

                                                         文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-08-18 16:48 | 添加物歳時記



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