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酒の肴 その11 《すき焼きは赤身肉で》
寒くなると、熱々の鍋物が食べたくなるのは日本人なら当然の食欲であろう。
江戸時代までは、宗教上の関係で貴族も庶民も、表面的には肉食が禁止されていたが、キリスト教の伝来により徐々に解禁された。
明治時代の新政府は、明治5年に、若き明治天皇に牛肉を試食させたことから肉食奨励に転じたといわれている。
日本の牛肉料理として知られ、今も残っているのが、文明開化の発祥の地・横浜にある。
この頃から牛鍋として当時の開国論者は好んで食べ、議論に熱中していたようである。
牛鍋は関東の料理名で、関西ではすき焼きと呼ばれていた。
明治時代から続いている横浜の牛鍋料理は、サイコロ型に切った牛肉を味噌仕立ての煮汁で仕上げて食べる。
薄く切った牛肉を煮て食べる現在のすき焼きは、牛肉の美味しさを心の奥に植えつけて日本料理で、世界に知れたスキヤキとなった。
ところで、マグロはトロ、牛肉は霜降り肉と脂ののっていて軟らかいところが、現代人に人気である。
すき焼き店でも高い肉を注文すると脂のある肉が多い。
本来は脂の味だけで肉の味がしない。
できれば赤肉で肉本来の味を経験することをすすめる。
アメリカで食べるステーキは、赤肉のものが多いが決して不味くないはずである。
江戸時代はマグロのトロはイヌも見向きもしなかったといわれた。
何故、日本人は、脂好きになったのだろうか。
すき焼きの味付けは、甘辛いので、辛味のある日本酒かイモかムギ焼酎との相性がよい。
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by kosakai_blog | 2010-01-29 22:46 | 今月の酒の肴
酒の肴 その10 《豆腐》
昔から夏の冷奴、冬の湯豆腐といわれているように、豆腐は気軽に食べられる食品の一つではあるが、原料の大豆、水、凝固剤などの原料や作り方にこだわりのある店で食べる豆腐は高値である。
江戸時代から、豆腐は町民の食べものであったばかりでなく、大名も豆腐、油揚げ、がんもどきを利用したという。
豆腐は精進料理には欠かせない食品でもある。
古くは「豆腐百珍」「続・豆腐百珍」が発行されたように、料理の種類も多い。
夏は冷えた豆腐は、ネギやかつお節と醤油をつけて食べるだけでなく、アンチョビーや塩辛、キムチなどをのせたものも冷たい日本酒の肴としての相性はよい。
やや、木の葉が黄色や赤色の変わった頃には、熱燗の日本酒との相性がよい。
豆腐は、やさしい食感の絹ごし豆腐と少し水を絞った木綿豆腐がある。
湯豆腐には絹ごし豆腐を使うい、そのやさしい食感を堪能する。
湯の中で温めているうちに、豆腐の中のうま味が湯のほうへ逃げて行ってしまう。
そこで、鍋の底に、細かく庖丁目をいれた昆布を敷いておく。
こうすることにより、昆布のうま味が豆腐へ入るとともに、温めているときに出る泡による豆腐への振動も緩和される。
湯の中に少量の食塩を入れておくと、豆腐の苦汁の成分と食塩が入れ替わり、隙間の生成も防げるといわれている。
焼酎の場合には、肉豆腐、豚のモツとの味噌煮込みに入れた味の濃い目の豆腐があうようである。
ビールを飲むと体内のナトリウムが排泄されるので、塩辛いものが欲しくなるから、体内のミネラルバランスのためにも濃い味付けの豆腐がよいのである。
                                                文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 22:42 | 今月の酒の肴
酒の肴 その9 《「おでん」で一杯》
12月になると、赤提灯の店で「おでん」を友に、胃袋の膨れない日本酒の熱燗で、社会生活で損得も貸し借りもない、学生時代の友人と、思い出話しで僅かな時間を楽しみたいものである。
かつての日本の経済成長は、赤提灯で酒やその肴で、明日への力を蓄えたからと評価する人もいる。
日本の「おでん」の起源は「田楽」の御所言葉の「お田楽」にあるといわれている。
温めたコンニャクに味噌をつけた素朴なおでんは元禄時代(1688~1704)といわれている。
煮込みおでんへと展開したのは、醤油の発達とも関係があり、享保年間(1716~1735)以降とる。
江戸っ子には人気となる。
関東の「煮込みおでん」は、大阪では「関東炊き」となり、これがベースで「関西おでん」へと変身した。
醤油味の浸みこんだおでんは、辛子でアクセントをつけたほうが美味しいようである。
おでんのタネには、竹輪麩、ダイコン、コンニャク、練り製品のように、おでんのタネになることにより価値の上がるものが多い。
それにしても、おでんのタネも時代と共の新しいタネが登場しているので、時にはおでんの店の暖簾をくぐるのも食べ物の変遷の勉強になる。
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by kosakai_blog | 2010-01-29 22:22 | 今月の酒の肴
酒の肴 その8 《おでん》
秋も深まるというか、冬が近づきを感じる季節で、そろそろ厚手の洋服か、コートを着たくなる。
温かい食べ物と熱燗の日本酒か、焼酎のお湯割りで一日の仕事の疲れも癒したくなる。
金曜日のサラリーマンなら、帰宅途中に焼き鳥屋かおでん屋の暖簾をくぐりたくなる時期でもある。
室町時代に誕生したコンニャク田楽は、煮込み田楽になり、江戸時代中期になって江戸おでんといわれる煮込みおでんが生まれ、江戸っ子の人気となる。
味噌をつけた田楽、薄味の醤油で煮込むおでんは、味噌や醤油を作るのに麹を使うので、同じく麹を使って醸造する日本酒との相性がよい。
味噌、醤油、日本酒ともに熟成中に乳酸菌の作用によりコハク酸、乳酸などの有機酸が生成されているのが、相性と関連があるらしい。
おでんは地方のB級グルメとして町興しの媒体ともなっている。
具は地方や家庭、あるいは店によって異なる。
コンニャク、ダイコン、ゆで卵、竹輪、はんぺんなどは定番の具であるが、静岡のおでんは、サバやイワシでつくった黒はんぺんが必ず入る。
青森のおでんは、味噌にすりおろしたショウガを入れる。
姫路のおでんは後発であるが、ショウガ醤油をたっぷりとかけることを特徴としている。
全国の特徴あるおでんを紹介する「おでんサミット」が毎年どこかで行われているようである。
蒲鉾で有名な小田原が、何故おでんが発達しなかったかは、蒲鉾が旨すぎるだといわれている。
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by kosakai_blog | 2010-01-29 22:18 | 今月の酒の肴
調味料 その11 《淡口醤油の特徴》
淡口醤油の代表的メーカーはヒガシマル醤油株式会社で、淡口醤油を使うことをヒガシマルを使うとメーカーの名をいう料理人も多い。
この会社の所在地は、そうめんの「揖保の糸」で知られている兵庫県たつの市である。
この地域は小麦粉の生産量が多いことと気候風土がそうめん作りに適しているということで、そうめんの製造が発達したようである。
ヒガシマルの淡口醤油の原料に、小麦が使われているのは、小麦の生産地のたつの地区の工場であるという地理的な理由もある。
醤油の副原料として小麦たんぱく質を使用して造ることにより、褐変反応に大きく関与する五単糖(ペントース)含有量が少ないために淡口醤油が製造できる。
なお、カボチャ・ダイコンの煮物、カレイの煮つけ、筑前煮の人参のもち味をだすには、濃口醤油よりも使用量が少なく、料理中の食塩量も抑えられている。

                                                  文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 21:51 | 調味料のいろは
調味料 その10 《現在市販されている食塩》
1997年4月に食塩に関する専売制が廃止され、新たに塩事業法が施行され「良質な塩の安定した供給の確保とわが国塩事業の健全な発展を図る」ために、(財)塩事業センターが設立された。
これによって、塩の小売については登録・届け出なしでできるようになり、2001年(平成13)からは製造、輸入、卸売りも登録・届け出の必要がなくなった。
規制がなくなったので、市販されている塩には、塩事業センターの塩のほかに、「自然塩」「天燃塩」、外国からの輸入の塩など種類が非常に多くなっている。
①昔ながらの海水を入り浜式のような天日で濃縮して製造しているところは、伊豆大島、石川県の能登、沖縄、熊本県の天草などに小規模の会社がある。
能登の輪島沖の海水を輪島まで運び、こだわりの自然塩を作っている会社もある。
②輸入の塩を国内の工場で、地下水に再び溶解して精製し、これに苦汁を添加した食塩がある。
「○○(地名)の塩」と称して販売しているものに多い。
その地名の海水から作られたものではない。
③ヨーロッパやモンゴルなどの岩塩がある。
これらは、日本の市場に出回ったころよりも、精製され、日本人の好みに合わせたものが増えてきた。

                                                  文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 21:48 | 調味料のいろは
調味料 その9 《白醤油と「水塩」》
ヤマイモの「トロロ汁」には、だし汁や醤油を入れる。
京都の「トロロ汁」には醤油として、白醤油を使うものと信じていた。
京都の日本料理人に聞くところによると白醤油を使うところもあるが、塩で代用するところも多いようだ。
現在市販されている白醤油100g当たりの塩分相当量は、14.2gと多い。(淡口醤油の食塩相当量16gよりも少ない。)
名古屋地方特有の料理用の醤油である。
通常の醤油に比べ、麹の香りが強く、ほのかに甘い。
もともとは、寛政(1789~1801)から文化(1804~1818)の頃、径山寺味噌の汁が非常に美味しいところに着目し、味も淡白であっさりとした特有の醤油に仕立てたものである。
名古屋地方では、うどん汁や吸い物、鍋物の汁、その他野菜や魚の煮物に使われているところもある。
歴史的背景から京都料理の醤油は、白醤油でなく淡口醤油を使っているのが理解できる。
最近、食塩の旨さや使い方を研究している友人が、白醤油と同じように利用できないかと、調整したのが、石川県輪島市から約20km沖の海域の水を蒸発させて、食塩濃度25%で蒸発をとめた「わじまの水塩」(商品名)を作り出した。
魚を焼く前にふりかけて、塩味をつけたり、塩ラーメンやスープの味に使えないかという発想である。
名古屋の白醤油は麹や味噌作りの副産物としてのアミノ酸類がうま味成分である。
この水塩のうま味は、NaClの塩味と、この水塩に含まれるMgイオンやCaイオンの含有のバランスが関与しているのではないかと想定している。
食塩水に1滴の苦汁を加えることにより塩水のうま味がまろやかになることからの発想と考えられる。
食塩の摂取は、健康(とくに血圧)と関係するが、加工食遺品や既製品の利用でミネラルの摂取が不足がちになるという現代においては、ミネラルの摂取の方法を積極的に考えなければならないと思う。

                                                  文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 21:29 | 調味料のいろは
調味料 その8 《柚子コショウ》
ここのところ、大分県の名産品で辛味のある「柚子コショウ」が、人気となっている。
大分県も担当の部署で、宣伝している一つである。
辛味成分は、微量で食物の刺激を向上させ、味覚も刺激する。
ほんのちょっぴりの柚子コショウを、口の中に入れると柚子コショウの辛味と香りは、口の中に熱い旋風を巻き起こすように感じ、食欲が増す。
九州では柚子コショウのことは、トウガラシのことをさしている。
九州北部の農家では古くから自家用につくられてきた「おふくろの味」の一つである。
作り方は、シンプルで、青ユズの実と青トウガラシをすり潰して塩を加えて熟成させる。
塩加減や熟成する期間は、各家庭やメーカーによって微妙に異なる。
熟成中にユズのクエン酸を主とした酸味とリモネンなどの香気成分が、トウガラシの辛味成分のカプサイシンとのバランスがよくなり、どちらもとがった味であるのにまろやかな味となっている。
カプサイシンは、唾液の分泌を刺激し、エネルギーを高めるホルモンのアドレナリンの分泌を刺激することもわかっている。
九州とくに大分県では、駅前のうどん屋のテーブルに置いてある馴染みのホットな薬味である。
うどんばかりでなく、ラーメンにも、刺身、焼肉、蒲鉾などの調味料としても日常的に使われている。
その他、いろいろな料理に使うと、トウガラシよりもより優雅な香りが楽しめるとのことで人気となっている。
青ユズの収穫時期は、8月下旬から9月にかけて約10日間であり、硬い青い皮を使う。
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by kosakai_blog | 2010-01-29 20:59 | 調味料のいろは
歳時記 その10 《野菜由来の食品素材・添加物》
健康問題から、食品添加物を使用した食品を購入することを敬遠する人が増加しているので、食品添加物関連物質を開発する企業は天然物を原料とし、安心・安全で目的の効果が期待できる添加物の開発例は多い。
そのいくつかの例を紹介する。
1.食肉加工品の発色剤 ハム・ソーセージ原料の食肉の発色は、一般に、亜硝酸塩が使われる。亜硝酸塩は、発がん性があるということから、発色剤の表示のあるものは敬遠される。
そこで開発されたのが、もともと野菜に含まれる硝酸とスターター菌で食肉中のミオグロビンの還元反応を促進し、亜硝酸塩と同じ効果を示すというものである。
2.野菜由来調味料ローストキャベツ
①植物油脂をベースにキャベツを醤油、糖類、香辛料で調味してローストしたシーズニングオイル。
②植物油脂、ラードをベースにキャベツを炒め、まるごとすり潰したオイルペースト。
①②もソース、タレの材料に使われる。
3.ミックス野菜ジュースパウダー
この製品は、アメリカで作っているもので、ニンジンをベースに、セロリ、クレソン、パセリ、ビート、レタス、ホウレン草をミックスした冷凍濃縮ジュースを、低温・真空乾燥し、約15倍の濃縮粉末にしたものである。
パンや菓子に加えることもでき、インスタントの粉末スープへ加えることもできる。

                                                  文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 20:43 | 添加物歳時記
歳時記 その9 《蒲鉾と弾力》
お節料理に欠かせない食材が蒲鉾である。
紅白色の蒲鉾を使うことにより、正月を祝う意味があり、赤色だけでも「日の出」を意味するので、正月の祝い食品として用意される。
蒲鉾の品質として特有の粘弾性で評価される。
この粘弾性を「足」といっているが、足の強さの評価は人によって異なるが、一般にはしなやかな粘弾性がよいと評価されている。
この「足」は、魚肉のすり身に適量の食塩を加えて、擂り潰す(これを「擂潰(らいかい)」ともいう)と、粘りがでる。
この粘りを「坐り」という。
本来は、蒲鉾の適した魚の身肉だけで、評価のよい「足」が生ずるのであるが、現在のように原料となる魚の資源が少なくなると、いろいろな種類の魚を原料としている。
魚の種類が異なっても、製品間の「足」に差がないように「一種のアミノ酸転移酵素」を添加する。この物質を添加することにより、魚肉の中のたんぱく質間に架橋をつくり、全体としてたんぱく質が網目状に結合するので、よい足が生ずる。
このアミノ酸転移酵素は、ある種の微生物を処理して得た酵素なので、人の健康への害はない。
                                                   文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2010-01-29 20:02 | 添加物歳時記



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