食のサロン その2 《近未来創造サイエンス「奇跡の地球物語」 分とく山 野崎洋光氏》
2010年5月2日(日)18時30分からテレビ朝日の近未来創造サイエンス「奇跡の地球物語」ー野崎洋光氏ー で放映された内容です。
番組の中では、弊社の成瀬宇平顧問のコメントもとりあげられました。
尚、分とく山の総料理長 野崎洋光氏は、武蔵野栄養専門学校の成瀬顧問の教え子です。

◆近未来創造サイエンス「奇跡の地球物語」

日本料理の匠 分とく山の野崎洋光氏は日本料理の知られざる真実を、ご自分の料理の中で次のように語っています。

その1 野崎流 シメ鯖

シメ鯖は、鯖の鮮度が落ちるのを止めるために作られた手法です。
何故シメ鯖なのか?
理由は、魚の水分を抜き、保存するためです。

野崎流は、
砂糖で40分しめる
塩で60分しめる
酢で20分しめる

《化学的根拠》
砂糖のひと手間が、おいしさを引き出す。
それは、浸透圧の原理で砂糖の分子が、塩の分子よりも大きいためにゆっくり水分が抜け、魚がふっくらしているところへ塩と酢を入れる。
しょっぱくなく、すっぱくないシメ鯖ができるという。

シメ鯖こそが、料理の基本の「さしすせそ」の代表といえる。
さ:砂糖でしめる
し:塩でしめる
す:酢でしめる
せ:しょう油でたべる

その2 野崎流 筍の灰汁(あく)抜き

筍のえぐ味の正体は灰汁である。
従来の米ぬかととうがらしで茹でると、下ごしらえで既に茹でるため調理前に筍のうま味が消えてしまう。

野崎流は、
筍の穂先が緑になる前の物を選ぶ事。
大根のおろした汁:水が1:1で1%の塩を加えた液汁で、茹でずに1時間浸すのみ。
その後、通常の調理をする。

《化学的根拠》
大根の汁に含まれる酸化酵素が灰汁の成分を分解するため、えぐ味が消える。

その3 野崎流 お造り

刺身包丁(18°の片刃包丁)で素材を切る。

《化学的根拠》
角が立ちやすく、組織がくずれないので触感が一定である。

その4 野崎流 出汁と水

料理の基本である味の土台は出汁である。
火山国日本の水は、ミネラル分が少ない軟水なので水が良い。

野崎流は、
いい出汁ほど鰹の味がしない
いい出汁ほど昆布の味がしない

鰹と昆布を80℃のお湯で1分、うま味だけを取り出す。
温度が高いと雑味が入り、素材の味を邪魔する。

良い出汁とは、体に入ったときにすっきりする。

《化学的根拠》
硬水は、Ca成分が昆布の成分と結合し灰汁になる。
また、うまみの抽出が妨げられる。

日本料理は、味覚だけではなく五感を使いすべてを感じ取り戴くものである。
竜田揚げを例にあげ、従来の竜田揚げは奈良の竜田川の紅葉をイメージとした料理で秋の料理である。
しかし、野崎流は春の紅葉は緑であることをヒントに衣に緑を入れ、春の竜田揚げを創作する。
日本料理は、味に化学的根拠や遊び心があり素晴らしいと結んでいる。


最後に、日本料理とは言葉を食べるものである。
美食家北大路魯山人は60年前にこう述べている。
「日本料理は素晴らしい
 今に世界中の人が日本料理を食べに日本へ押し寄せてくる日が今すぐそこに来ているのを感じた  魯山人」

                                                   文責:小堺ひとみ

リンク:分とく山  
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by kosakai_blog | 2010-05-06 11:46 | 食のサロン
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