食のサロン その3 《世界一使われている油ーパーム油の製造とその利用》
◆開催日
2010年5月25日(火)15:00~16:30 (於:日本橋倶楽部会)
◆テーマ
『世界一使われている油ーパーム油の製造とその利用』
◆講 師
日清オイリオグループ㈱ 食用油技術部 主管平野尚美氏

※人口の増加、食の多様化に伴い、世界で使われる食用油の量は、年々増えている。
その中でも特に伸びているのが食べる油「パーム油」である。

※まず油とは何か?を考えてみると
①高温・短時間で調理できる効率的な熱媒体
②生命の維持に欠かせない栄養素の一つで、9Kcal/gの効率的エネルギー源であり、三大栄養素には他にたんぱく質・炭水化物が挙げられる
③油は料理を美味しくする
④「あぶら」は、1つのグリセリンに3つの脂肪酸が結びついたもの(トリアシルグリセロール)
⑤リノール酸、リノレン酸は必須脂肪酸
⑥植物油はビタミンEの供給源で油と一緒に摂れば脂溶性ビタミンの吸収率UP
 例 VAの吸収は 生で10% 煮て30% 油と一緒に食べると50~60%の吸収率

※油(ゆ)と脂(し)の違いとは
油:室温で液状の物
脂:室温で固形の物

※世界の植物油生産量の推移を見るとパーム油は、2005年でトップになった。
では、パーム油が使われているものは・・
・マーガリン・ショートニング
・スナック菓子
・ポテトチップス
・即席麺(ラード・パーム油)
・カレールー
・ドーナッツ 等

※「パーム油」について
*パームの木は・・・
 ・ヤシ科でマレーシア、インドネシアを中心にプランテーションで栽培
 ・1年を通じて収穫が可能な多年生草本
 ・単位面積当たりの収穫量が高く、大豆の7~8倍(生産量は世界一)
*パームの実は・・・
 ・4~5cmのフルーツでオレンジ色の肉
 ・内胚乳(パーム核油を含む)と中果皮(45~50%のパーム油を含む)からなる
 ・この果実が1000個位集まり果房(バンチ)として木に数十個付いている
*分別は
 ・液状油部分と固形脂部分に分ける事が出来る 
*特徴は
 ・常温で固形~半固形
 ・酸化安定性が良い(保存性が良く、フライ時にコシが強い)
 ・あっさりで油っこくない風味
*製造方法
 果房→蒸熱(蒸気処理)→脱果→消化→圧搾(35%、パーム核油)
  ↓
 粗製油→清澄化→乾燥
  ↓
 パーム原油→精製
  ↓
 パーム精製油

*パーム油の食品以外の用途
 ・バイオディーゼル
 ・PalmCoal(果房を炭化して燃料に)
 ・パームの果房から紙

*油の上手な使い方
 ・保存方法
  開栓前:直射日光等の光を避ける、湿度を避ける
  開栓後:栓をきちんと閉める、開栓後は1~2カ月で使い切る

*油の上手な揚げ方
 ①こまめにカスを取り除く
 ②長時間空加熱をしない
 ③適宜差し油をする
 ④揚げる順序を工夫する
  天ぷら→コロッケ→唐揚げ→とんかつ(タマゴはレシチンなのでべたつく)
 ⑤3~4回で新しい油と交換する

*油の上手な摂りかた
 見える油:マヨネーズ・オイル
 見えない油:御菓子・スナック・肉等

*油の上手な選び方
 ①健康で選ぶ:体脂肪やコレステロール、VE添加等
 ②調理機能で選ぶ:上手に炒める、少ない油で揚げる、サックと揚げる
 ③すっきりさや香ばしさで選ぶ
      

以上、パーム油はあっさりした風味や酸化しにくい事等から、私達の食生活の中でも重要な役割果たす油である事が理解できた。
講演会の中で、このパーム油を使用した揚げ物と他の油で揚げたものを実際に試食し、比較することでより理解を深める事もできた。
これらの食用油を理解する事で、効用も随分変わるものである。

                                                  (文責:小堺ひとみ)

リンク:日清オイリオ株式会社

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by kosakai_blog | 2010-05-27 14:12 | 食のサロン
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