大阪の人はうどんが好きなようである。
筆者の知人である大阪の老舗蒲鉾店「大寅」の小谷社長と、大阪市内で昼食をとると、必ずうどんを注文する。
大阪では「きつねうどん」のことを、「ハイカラ・ケツネウドン・信田(しのだ)」ともいう。
きつねうどんは大阪を代表する大阪の市民の食べ物である。
明治26年(1893)に、「松葉屋」といううどんの店主が、うどんに油揚げをのせた「コンコンさん」という種物を考案したのが「きつねうどん」の始まりといわれている。
湯通しして油抜きした油揚げは、醤油・味醂で甘く煮込んで、一枚の大きいもの2枚をうどんに載せるのが、大阪の「きつねうどん」である。
油揚げは、表裏を裏返しながら1時間ほど煮込んでから冷やして、さらにもう一度煮込む。
再加熱によりふっくらと軟らかい油揚げができあがるのである。
文責:成瀬宇平