食のサロン その35 《江戸前天麩羅の話 ③天麩羅はインターナショナル?》
日本料理の中で欧米人にいち早く好まれたのは天麩羅ではないだろうか。
外国人にとって富士山、芸者ガール、天麩羅、すき焼きが日本の名物とされた時代もあった。
喜劇王チャップリンは来日時に銀座「天一」や茅場町「稲ぎく」、浜町「花長」等の天麩羅店を訪れている。
定かではないがエビの天麩羅を20本も食べたと言う信じがたい話も伝わっている。
もともとチャップリンは日本贔屓であり日本に来て天麩羅を食べる事を楽しみにしていたらしい。
信頼していた執事が日本人でありその勤勉で実直な人柄を敬愛していた。
その為日本にも好感を持っていたようである。
きっと天麩羅やすき焼きの話も聞いていたと想像される。
余談ではあるがチヤップリンが映画の中で愛用していたステッキは日本製の竹で出来た物だったそうである。外国人にも好まれた事からかホテル内のレストランとしても天麩羅が採用されるようになった。
銀座天一は帝国ホテルに出店し外国人に喜ばれただけではなく常連の日本人宿泊客にも歓迎された。
ホテル直営の日本料理店でも天麩羅を看板とした店がある。
池波正太郎を始め多くの文人作家に愛されたヒルトップホテル(山の上ホテル)の天麩羅山の上である。
料理長であった近藤文夫が独学で天麩羅を学び天麩羅の名店と言われるようになった。
現在は独立して銀座に近藤と言う天麩羅店を開業している。
大きく筒状に切ったサツマイモをじっくりと揚げて行くサツマイモの天麩羅等を名物としている。
細長く切ったニンジンを少なめの天ぷら衣で揚げながらまとめて行くこの店独特のニンジンの天麩羅はニンジンの花火と呼ばれている。
暖簾や箸袋に書かれた近藤の店名は池波正太郎の筆によるとの事である。
京橋の人気天麩羅店「深まち」の店主深町正男もこの山の上ホテル出身である。
ホテルオークラの日本料理「山里」の天麩羅も評判が高い。
季節の野菜や吟味された魚介類の天麩羅には食通のファンも多くここで修業をして独立した天麩羅店も多い。
特徴は生きた鮎を使い揚げ油の中で泳がすように揚げて行く。
それにより鮎があたかも泳いでいる時のようにヒレを伸ばして揚げあがる。
この揚げたての薙鮎の天麩羅を腹の方を下にして提供する。
天麩羅通の客なら店で提供される鮎の天麩羅を見れば山里出身の天麩羅職人と察しが付く。
山里で仕事を覚えて独立した店には西麻布の天麩羅「からさわ」、水天宮前の「つじ村」、銀座の「てんぷら真」等がある。
過日銀座のハゲ天で天麩羅を食べていると中居さんが明日のサウジアラビヤの一行の予約がキャンセルになったと天麩羅の揚げ方に報告に来ていた。
何気なく聞いていると、どうやら飛行機の都合で日本への到着が遅れる何がしで来店出来ないと言う事らしい。
遠い中東からの訪日の折にも日本の食文化として天麩羅を楽しもうと言う事だろうかと勝手に想像をした。
店内を見渡すと青い目の外人客が運ばれた天麩羅と共にニッコリとして写真を撮っていた。

                                                       文責:青木知廣
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by kosakai_blog | 2013-03-22 16:22 | 食のサロン
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