食のサロン その48 《江戸前鰻の話④ 鰻料理は国際色豊か?》
イギリスに嫁いでいる同い年のいとこがいて、イギリス人のご亭主との間に娘1人と息子2人の子供がいる。
ある時叔母の家を訪ねるとその息子2人が夏休みを利用して遊びに来ており、訪ねた私を連れだって鰻を食べに行くことになった。
ところが、このイギリス育ちの兄弟は鰻を食べる事が出来ずに鳥丼を食べると言う。
叔母の話によると以前日本で鰻を食べさせたところ、兄の方は食わず嫌いであったが弟は食べて美味しかったようであった。
いたずら好きの兄が鰻の蒲焼をヘビだと言って騒いだので、弟も食べなくなってしまったとの話である。
イギリスでも昔はテムズ川のウナギを細かくしてパイの具材としていた事もあるようだが、今は主流のビーフパイと名物キドニーパイと言う事になるらしい。
私の知るところでは、ドイツあたりではウナギの燻製を食べるし、同じヨーロッパでもオランダ・ベルギーではぶつ切りにして煮込んだウナギ料理は名物料理でもある。
ギリシャではアンギラスと言うウナギの稚魚をたっぷりのオリーブオイルでソテーして食べるが、近頃では高級料理と成ってしまい庶民の口に入らなく成っているようである。
美食の国フランスでは、ウナギ料理の種類も多いがワインで煮込むマトロットと言われる料理が知られている。
日本に来て初めてウナギを食べて好物となった外人さんも多いらしい。
浅草の老舗鰻店「色川」の主人によると、外人客も結構訪れるが面白いのは鰻重を食べる時に上の蒲焼だけを食べてしまい、次に残ったタレのしみたご飯だけを食べるような食べ方をする方が多いとの事である。
日本人のようにご飯に鰻をのせて一緒に口に運ぶような食べ方は思いつかないのかもしれない。
上野池之端の「亀や」と言う鰻店で食事をしていると、隣の席に外人さんが1人で入って来て鰻重とグリーンティを頼んだ。
店には緑茶が無くほうじ茶となる旨を中居さんが説明しようとするが、日本語が理解できない外人客が何度も注文をし直すがらちが明かない。
緑茶くらい出してあげられないのかと横で気をもんでも見たが、店にはあいにく緑茶を置いて無いようで最後まで緑茶は提供されなかった。
その外人にとっては鰻重とグリーンティは日本の味としてこだわりがあったのかもしれない。
神楽坂の「たつみや」と言う老舗鰻店の前で、若い娘さんが2人で何やら携帯電話をかざして写真を写すようなそぶりをしている。
私たちが店に入ると後から入って来て隣のテーブルに座った。
写真を取っていたのではなく、携帯サイトの画面で店の外観写真を見て目的の店かどうかを2人で確かめ合っていたらしい。
日本のお嬢さんと思っていたが、どうやら日本語が分からないようで注文の時も携帯画面で料理を確認しながらの注文であった。
料理を待っている間にハングル語のガイドブックを出して見だしたので韓国の方と察しがついた。
日本へ旅行したら、日本料理の鰻重を是非食べるようにと言われて来たのだろうかと勝手に想像をした。
思いだしたのはしばらく前までは韓国へ旅行すると、ウナギの革で作られた財布がお土産店で良く売られていた事である。
残念ながら韓国を訪れてウナギ料理を食べた記憶は無いのだが、ウナギの革を使った製品が沢山あると言う事は鰻を食べる習慣もあるのではと思われる。
しかし韓国の方が日本を訪れてわざわざ鰻重を食べると言う事は、蒲焼のような料理は無いのだろうか。
謎を解明すべく今度韓国を訪ねた時は是非ウナギ料理を探してみたい物である。

                                                         文責:青木知廣
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by kosakai_blog | 2014-03-31 16:55 | 食のサロン
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