食のサロン その50 《江戸前鰻の話⑥ ところ変われば鰻も変わる?》
ところ変われば鰻も変わる。
ご存知のように鰻を割くのも関東は背開き、関西は腹開きと言うように、関西と関東では違いがある。
武士の町江戸では、腹から割くのは切腹につながると縁起を担ぐ。
関西大阪等は町人の町なので、腹の中に隠し事が無いよう腹から割くと言われている。
江戸関東風の鰻は、素焼きした後に蒸して軟らかくしてから、たれをつけて焼きあげる。
その為背から割いた方が串をしっかり刺せて、その後の工程が取りやすい事もあるようだ。
関西では蒸さずに仕上げるので、串を打たずに焼き上げる事も多いようである。
鰻の食べ方も全国には色々な食べ方がある。
名古屋名物となっている櫃まぶしは地焼きの蒲焼を包丁でたたいて櫃によそったご飯の上に乗せ、細く切ったネギや海苔、ワサビ等の薬味をそえて、暖かいだしと共に提供される。
お店の方に食べ方を尋ねると、しゃもじで鰻の乗ったお櫃を四等分し茶碗によそう。
一杯目は鰻とご飯をそのまま食べ、二杯目は薬味を乗せて、三杯目はだしをかけてお茶漬け風に、最後の四杯目は今までの中の好きな食べ方で召し上げって頂ければとの説明がある。
「蓬莱軒」・「いば昇」・「しら河」等が有名処となるが、名古屋名物櫃まぶしとして「備長」・「うな匠」等の店が東京にも出店している。
「蓬莱軒」が櫃まぶしの商標登録を持っているとの事であるが、名古屋の名物として全国に知られている。
京都に行けば、店名を太閤秀吉がわらじを脱いだ事に由来するとされる「う雑炊」で有名な「わらじや」がある。
ぶつ切りにして中骨を除いた鰻をネギや麩と共に土鍋で煮込んで食す「う鍋」と、開いて白焼きにした鰻を野菜と溶き卵で雑炊にして味わう「う雑炊」を看板にしている。
京都の鰻専門店「かねよ」は、鰻丼の上に大きな京風だし巻卵を乗せて提供される「きんし丼」を目当ての客で賑わっている。
九州福岡や佐賀県では鰻重や鰻丼では無く「せいろ蒸し」と言って、せいろにタレを絡めたご飯を盛ってその上に蒲焼と錦糸卵を乗せて蒸したてを食べる。
水郷柳川には「若松屋」・「柳川屋」等この「せいろ蒸し」の有名店がある。
ドジョウを使った「柳川鍋」は、この柳川の地名から名づけられている事で知られている。
「御花」は柳川藩立花家の屋敷を旅館として営んでいて、名勝として登録されている庭や大名家の宝物館も持つ事で知られている。
ここでの食事は、地元有明海の珍味を食し最後に鰻の「せいろ蒸し」で締める事になり、私のような鰻好きには嬉しい限りである。
以前は東京でも赤坂の「ふきぬき」と言う鰻店が、この「せいろ蒸し」を出す事で知られていた。
九州の鹿児島は養殖ウナギで日本一の生産量を誇っている鰻どころであり、当然鰻店も多くある。
繁華街天文館はその昔天文観測をする天文館があった事が現在の地名となっているが、この天文館跡地に建つ「末よし」と言う鰻店がある。
この店で食事をして、関東と比べて取り合わせの違いで所変わればと感じた事がある。
鰻重には肝吸いのようなお吸い物と思っていたが、この辺では味噌汁が当たり前らしいのである。
川魚料理としての「鯉こく」と「蒲焼」の取り合わせは関東でもよくあるが、「鰻重」・「鰻丼」に当たり前のように普通に味噌汁が付いてくる事が不思議に思えるのは、固定観念からだったのだろうか。

                                                  文責:営業部長 青木知廣
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by kosakai_blog | 2014-05-27 17:43 | 食のサロン
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