食のサロン その55 《江戸前鰻の話⑪ 鰻は栄養の宝庫?》
鹿児島の開聞岳を望む池田湖に生息する大ウナギを見に行ったことがある。
最大で体長約2m体重20kgにもなりその太さと大きさには驚くがウナギ目ウナギ科で通常目にするウナギとは同属の別種との事である。
南西諸島あたりでは捕獲して食べられる事もあるようだが味は今一つと言われている。
水槽にいる大ウナギを見て一匹で何人前の鰻重が出来るのかと考えるのは不謹慎と言う物であろうか。
浜松の名物土産に「夜のお菓子」のキャッチフレーズで知られる「うなぎパイ」がある。
蒲焼をイメージさせる鰻エキスが入った細長いパイである。
夜のお菓子とは意味深であるが製造元に言わせると夕食後の一家団らんに食べてほしいそんな意味だと言う。
しかし精が付くウナギのイメージから勘違いして買って帰られる客も多いとの弁であり案外狙いはそのあたりかもしれない。
日本橋の老舗楊枝専門店「さるや」ではウナギに似せた楊枝を販売している。
どちらも細長い楊枝とウナギをイメージさせた江戸っ子のシャレと思われるが、鰻好きとしては是非小道具として持ち歩きたい物である。
鰻の生産量も減り価格も高騰して来ている昨今は鰻を余すところなく食べようと言う考えも再燃して来ている。以前から鰻を割く時に出る頭の部分を串に刺して焼いた「かぶと焼き」やヒレなどの端切れの部分を串に刺した「倶利伽羅(くりから)焼き」等は庶民の酒の肴とされてきた。
ちなみに「倶利伽羅焼き」は串に刺された鰻の端切れが不動明王の持つ「倶利伽羅剣」に例えられての事である。
肝臓や胃、浮き袋等を丁寧に分けて串に刺され串焼きを提供する鰻店もある。
中野にある「川二郎」では鰻を割く時に落される頭の部分を割いて中骨を取り除き身の部分を串刺しにして提供している。
人形町の「心天」は鰻の皮を串巻とし、背びれをヒレ串、レバー、鰻のつくね等の串焼きを提供している。
そうした店は骨も素揚げにしておつまみとしてサービスしたりしている。
そもそも栄養豊富な鰻は必須アミノ酸のリジン、メチオニン、スレオニン、トリプトファンの他にDHA、EPA等の必須脂肪酸を多く含んでいる。
加えてビタミンA、ビタミンEにコラーゲン、骨まで食べればカルシウムの補強ともなる。
余すところなく食べる事は栄養学的にも大切なように思える。
ところで鰻を刺身のように生で食べる事が無いのは実は鰻の血液には有毒成分が含まれているからである。その事を知らない人は案外多く話を聞いて食べて大丈夫かと驚く人もいる。
有毒成分「イクチオヘモトキシン」は60度で5分ほど加熱すれば毒性を失うので通常の鰻料理では全く心配は無いわけである。
価格高騰により若者の鰻離れが気になる処であり鰻は年配者の好む料理と言うイメージがあるかと思うが実はそうでも無いらしい。
夏の土曜日の昼に神田明神近くへ来たので鰻店「神田川」へ今から行きたいと電話をすると椅子席の相部屋があいておりそこへ通された。
私たちの他に2組がいたがいずれも若いカップルで鰻店での食事を楽しんでいる。
二人でネット検索し次のデートは鰻店でと言う事で訪れたようである。
若者のデートに利用されている場を見て鰻が若い人たちにも支持されている事を知り少し嬉しく思えた。

                                     文責:小堺化学工業㈱ 営業部長 青木知廣
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by kosakai_blog | 2014-11-19 19:15 | 食のサロン
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