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酒の肴 その25 《「タケノコ料理」とアク》
4月の中頃から、タケノコが八百屋さんに並ぶ。
昨年の春は、気温が高かったためか、タケノコは早いうちから成長がよく、公園でも太い竹になってしまったのをみかけた。
今年の春は、比較的気温が低いので成長は、昨年ほど速くはない。
春のタケノコの季節にはタケノコ汁や若竹煮などを食べる人は多い。
若竹煮というから、若いタケノコを材料としたほうが美味しい。
若いタケノコにはアクがなく組織が軟らかく、春の食べ物の実感がわく。
タケノコ料理の下ごしらえには、必ずコメのとぎ汁やコメ糠を入れた汁の中で茹でる。
コメのとぎ汁やコメ糠汁の中のデンプン粒子はゆで汁の中で分散し、コロイド状態になっている。
このデンプン粒子のコロイドがアクを吸着して、水洗いとともに除くことができる。
タケノコのアクの成分はホモゲンチジン酸やシュウ酸でえぐみや舌を刺すような刺激がある。
ところで、タケノコを茹でるときに、タケノコは皮ごと茹で汁の中に入れるのは、皮に含まれている亜硫酸塩にタケノコの繊維を軟らかくする効果があるからといわれている。

                                                         文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-04-28 16:29 | 今月の酒の肴
調味料 その27 《ご当地の調味料》
近年は、自分の趣味で調味料を工夫し「マイ・調味料」などを提案している人もいる。
料理店でも、特有の「かけ醤油」や「つけ醤油」が提供しているところも多くなった。
そこで、CMで宣伝している会社は除き、醤油をベースにした調味料のいくつかを紹介する。
日常の食卓や料理に参考にしていただければ幸いである。

※鶏醤:魚醤油は昔から秋田や能登、四国、東南アジアで作っているが、鶏醤(けいしょう)は、珍しい。
北海道・三笠市でつくっている。
新鮮な北海道の鶏の内臓に天然塩を加えてじっくり発酵させて作ったものである。
たんぱく質含有量が多いのが特徴である。

※飛魚のつゆ:山形県酒田市は飛魚が獲れる北限の地である。
飛魚から作る「焼きあご干し」は、山陰や九州地方の雑煮のだしには欠かせない。
あごだし汁は、カツオ節のだしとは違ったうま味がある。
このあごだしを使った醤油は、かけ醤油として使ってもよいということである。

※太古楽:石川県白山市のご当地醤油である。
丸ダイズ醤油のもろみをベースに、米麹、カツオ節を原料でつくっている。
粘りがあるので、かけ醤油として適している。(チャーハンにかけてもよい。)

※平戸魚醤油:魚醤油としては甘い。
カタクチイワシ、昆布、鰹節に塩を加えてじっくり熟成させ、見た目はダイズからつくった醤油のようである。
塩分が少なく、アミノ酸、タウリン、ペプチドが多い。

                                                      文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-04-28 16:20 | 調味料のいろは
歳時記 その21 《飲料フレーバー》
第二次大戦後の食糧難時代の子どもの飲みには、人工甘味料、合成した果実様のフレーバー、人工色素が入っていて、現在義務づけられている「表示」には、多種類の食品添加物が記載されることになる。
これらの添加物を含むジュース類を飲むと、そのフレーバーの匂いに感心したものである。
最近の日本の飲料品の種類の多いのには驚くばかりである。
飲料品の自動販売機に並んでいる見本をみると、その飲料品を生み出すアイデアにも脱帽するだけである。
魅力的なフレーバーを作り出すためには、飲料品のフレーバーの鍵となる香気成分(香気寄与成分)や香気劣化に関与する成分(オフフレーバー成分)、化学的、感覚的な特性の解明が必要となっている。
小川香料(株)の熊沢賢ニ氏は、原料の加工工程や飲料の製造工程における原料中の微量な香気成分の寄与と加熱殺菌による飲料のオフフレーバー成分について長い間研究を続けている。
一部の研究結果によると、茶葉やコーヒー豆などは、原料の香気形成に加工条件が大きく影響するので、工程中の反応を制御することが嗜好性の優れた良質の香気を生み出すと報告している。
(参考:熊沢賢ニ;日食工誌、Vol.58(3),p81(2011))

                                                        文責:成瀬宇平
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by kosakai_blog | 2011-04-28 16:03 | 添加物歳時記
食のサロン その12 《江戸前鮨の話 ⑤》 
鮨を食べる時にいくつかの疑問がある。
鮨はどのような順番で食べるのが良いのだろうかと言うのもその一つであろう。
ありきたりの答えであれば白身の魚から握ってもらい次に季節の貝類、マグロの赤身や中トロを食べコハダなどで一度口の中をさっぱりさせてアナゴなどの煮物、巻物と卵焼で一通りとすると言う事に成るのだろうか。
要するに味の薄い物から濃い物にガリ等で口直しをしながらと言ったもっともらしい話になる。
その質問を鮨店の亭主にすると意外に答えはまちまちである。
久兵衛のような有名店でも常連客には中トロやトロから握って出す事もある。
その日の自慢のネタをまず食べてもらいたいと言う事であろうか。
お任せと言って職人さんに季節やその日の仕入れによってみつくろって握ってもらえば世話無しではあるがせっかくなので好きな物を好きなように頼むのも良いのではないだろうか。
と言ってもサア何から握りましょうかとかまえた時にいきなり巻物から頼まれてがっかりしたと言う話も聞いた事がある。
実は私もこの質問をされる事があり自分なりの答えは店によって違うと言う事になる。
例えば神保町鶴八ならまずカスゴからしおむし(蒸鮑)〆はオボロを海苔巻きで。
銀座新富すしならシャコ、ハマグリ、アナゴ、アワビの各煮物ネタを中心に、最後は干瓢巻に山葵を効かせて。
柳橋美家古鮨ならとろける穴子と卵焼き、〆は太巻き風の鉄火巻。
しかし実際鮨屋のカウンターに座り好きなように頼むとなると懐具合が許してくれない。
正直なところ我々庶民にとって鮨の値段と言う物が一番気になるところである。
したがって次の疑問はすしの価格ということに成る。
だいぶ以前の話に成るがあるマスコミが鮨屋の値段について次のような調査実験をした事がある。
学生風の若者男子2名と中年の恰幅の良い男性と垢抜けた女性のペア二組が、注文をして食べる鮨の種類と数、飲み物を何本飲むか打ち合わせて別々にお店に入る。
少し離れてカウンターに座り男子2人はおとなしく、男女ペアは板さんにビールを勧めたりして歓談し同じような時間に店を出る。
果たして支払った金額の結果は如何に。
気になるところかと思うが、結果はご推察のとおりであったとだけ申し上げる事にする。
鮨店にとってはネタの原価は季節や仕入れの状況で異なるのも事実であろう。
食べる順番等は気にせず、価格も前もって分かる1人前を頼んで楽しむのが一番のようにも思える。
懐具合が許せばそれに1、2貫その日のお勧めを頂くのも良いだろう。

                                                        文責:青木知廣
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by kosakai_blog | 2011-04-27 11:57 | 食のサロン
室長の囁き その13 《東北関東大震災 元気をもらうメッセージ③》
去る3月11日国難ともいえる未曾有の東日本大震災が発生し、1カ月が過ぎました。
犠牲者の方、被災地の状況にまだまだ胸が痛む日々です。
被災された方やボランティアの方、それを支えている国民の大きな力で少しづつですが、各地での復興も形となって動き始めて参りました。
反面、原発はまだまだ多くの問題を抱えたままですが、私達も日本をそして愛する架橋100年の日本橋の町を元気にし、その力で被災地の復興を支える原動力になるために、「何ができるのか」を考えてみたいと思います。
「ヤシマ作戦」-Operation YASHIMA- をご存知ですか?
地震による福島県の原発事故で、東京電力及び東北電力の電気供給能力不足は「計画停電」を余儀なくしておりますが、これから夏にかけてはこの問題がもっと深刻になってくると思います。
そんな中、TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する作戦名の「ヤシマ作戦」と名付けての節電に協力する動きが広まっております。
アニメの「ヤシマ作戦」では、日本中を停電にすることで攻撃兵器への電力を集めるのですが、今回の「ヤシマ作戦」は皆が節電をすることで、停電回避に向ける作戦です。
このプロジェクトの目的は、
①東京電力・東北電力エリアの停電を最小限にすること
②一刻も早く被災地に明かりがともるようにすること
これのみの活動です。 詳細は http://yashima.me/about.html をご覧下さい。
計画停電を受け止めるだけではなく、停電回避のために何ができるか?
みんな何か必ずできるはずです。
節電を自分のできる範囲で頑張りましょう!!
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by kosakai_blog | 2011-04-11 12:08 | 室長の囁き
食のサロン その11 《江戸前鮨の話 ④》 
日本人は世界中で最も魚を美味しく食べる方法を知っている国民と言えるだろう。
一見単純に見える江戸前鮨は旬の魚をどうしたらよりおいしく食べられるかと言う工夫が沢山されている。
日本人の魚への思いや知識が凝縮された料理と言えるのではないか。
小骨も多く身も軟らかく煮ても焼いても食べにくいコハダを塩と酢で〆て食す。
色が変わりやすいマグロの赤身を醤油で漬け込むヅケ。
たん白なヒラメ等の白身魚を昆布の間に挟み熟成させ旨味を増す昆布締め。
穴子をさばいて煮込みコラーゲン質を軟らかくし、握る直前にさっとあぶり焼きにする。
その頭や骨から取った出汁を煮つめたツメと呼ばれるタレをぬって食べる。
鶏卵にエビや白身魚のすり身を混ぜて焼き上げる卵焼き。
いずれも江戸前鮨の誇るスターたちである。
生きた車えびを水槽からすくって客の見ている前で手際よく殻をむき握り鮨にする、いわゆる海老の踊りと言うパフォーマンス。
飾りつけの笹を包丁で切り鶴や亀等に見えるように細工する。
その包丁裁きを見れば職人の腕もおのずと分かると言う物である。
客の目の前で鮨を握る職人の粋な姿は絵になるものである。
ところで鮨の調理人は何故か職人と呼ばれる。
調理人でも料理人でもなく鮨職人の呼び名が似合うのは江戸前の伝統を受け継ぎ技術のみでなく江戸っ子気質まで伝承されるからであろう。
だいぶ以前の事に成るがTVドラマで「いきのいいやつ」と言う鮨店を舞台にしたドラマがあった。
江戸前の鮨店の店主とそこで修行する事になった若者が織り成す人情ドラマで好評であった。
修行を通して技術ばかりでなく職人の心意気や人の道を学び一人前の鮨職人として独立するところで最終回を迎える。
主人がこの原作者でありモデルとされる店が神田神保町の路地にたたずむ江戸前鮨の名店「神保町鶴八」である。
さしずめ暖簾分けされたこちらも名店として名高い「新橋鶴八」の主人が修行を終えて独立した職人のモデルと言う事になるのだろうか。
現在最も完成された鮨の握り方に本手返しと言う技法がある。
手の中で鮨めしを転がすようにして形作る握り方で見る目も華麗に握り上げると共にふっくらと口に入れると崩れるように握ることが出来る。
この本手返しは安政二年創業の木挽町「美寿志」と言う鮨店で明治時代に完成されたと言う説が伝えられている。
銀座にある「寿司幸本店」はその流れを汲む江戸前鮨店として知られている。
浅草駒形の鮨店「松浪」の主人はこの本手返しの達人で通常熟練者でも5秒は掛かるところ2秒程で華麗に握ると言われている。
小堺化学工業㈱の顧問である成瀬宇平はかって職人の握る鮨を医療に使うMRIで撮影し、握り加減による鮨の美味さを科学的に検証した事がある。
飯粒の間の空気の空間が口に入れたときの握りの食感に違いを及ぼし微妙な握り具合が鮨の味に影響を与える事が分かった。
まさに職人の技を科学的に実証したわけである。

                                                        文責:青木千廣
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by kosakai_blog | 2011-04-01 16:40 | 食のサロン



コラムや社内行事の模様をお伝えします。
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